ビジネスをデザインでひらく 公益財団法人大阪産業局・デザイン活用支援 oidc(Osaka Innovative Design Connect)
自社ECサイトを立ち上げ、運用するために知っておきたい基礎知識
自社ECサイトを立ち上げ、運用するために知っておきたい基礎知識
大阪産業局 デザイン活用支援 oidcでweb関連の相談を担当している松崎 匡浩です。
12月15日(月)に、産創館で開催された「自社ECサイトを立ち上げ、運用するために知っておきたい基礎知識」セミナーに登壇しました。
1.セミナー概要
【マーケティングセミナー】
自社ECサイトを立ち上げ、運用するために知っておきたい基礎知識
https://www.sansokan.jp/events/eve_detail.san?H_A_NO=46819
対象:中小企業経営者・経営幹部・マーケティング担当者、自社ECサイトの新規立ち上げを検討している方、運用において何らかの課題を感じている方
参加人数:63名
2.セミナーの内容(抜粋)
ECサイトをユーザー目線で最適化し「整える」ことに焦点を当てて、お話ししました。
1. ただ作っただけのECサイト(現状を知る)
2. 環境と状況を学ぶ(インターネット環境の変化、特にAIの導入)
3. ユーザーを知る(誰に何を売るか、ニーズの把握)
4. ECサイトを整える(チューニングと具体的な対策)
(1) ECサイトを取り巻く現状とコンテンツの重要性
ECサイト構築において、制作会社に丸投げするのではなく、ユーザーが「誰」で「どんな要望で買うのか」を細かく打ち合わせることが大切です。
(2) インターネット環境の変化とAIの影響
検索エンジンへのAI導入が大きな変化をもたらしており、従来のSEOテクニック(キーワードの量や位置の調整)は通用しなくなっています。
(3) ユーザーを理解し、購買行動の流れに沿って最適化する
集客や販促を「点」(例:SEOだけ、SNSだけ)で考えるのではなく、ユーザーが「欲しいと思う→調べる→見つける→検討する→買う」という一連の「線」の流れに沿ってECサイト全体を最適化する必要があります。
3. ECサイトの具体的な「整え方」(チューニング)
ECサイトのパフォーマンスとユーザビリティを改善するための具体的な方法もいくつか紹介しました。
(1) パフォーマンス(表示速度)の改善
ユーザーは検索結果をタップしてから2秒以上待たない傾向にあり、表示速度が1秒遅くなるだけで直帰率が大幅に上昇するため、パフォーマンス改善は急務です。
• 診断ツールの活用
Googleが提供する「PageSpeed Insights(ページスピードインサイト)」でECサイトの各ページの表示速度を改善すべきです。
• 画像の軽量化
表示速度改善で最も簡単で効果的な対策は画像の軽量化です。
≫ 画像のサイズを適正化する(横幅1500~2000ピクセル程度)。
≫ JPEGやPNGよりも軽量で画質が維持できるWebP(ウェピー)形式への変換する。
≫ WebPへの変換は無料で使える圧縮ツールとして「TinyPNG」やGoogle提供の「Squoosh(スクーシュ)」を使う。
• その他の対策: 無駄な装飾や動きをなくすこと、外部から読み込むWebフォントの使用を制限することなどを紹介しました。
(2) ユーザビリティ(使いやすさ)の改善
• 検索結果ページの訴求力向上
≫ Googleの検索結果に表示されるページタイトルは30文字以内推奨。
≫ メタディスクリプション(説明文)は110文字以内推奨。Googleは読んでいないが、人が読むため、人間に刺さるフレーズを設定する。
• 商品ページ設計
文字の大きさや行間を調整し、ユーザーが商品購入後の生活をイメージしやすい写真を多く掲載するなど、徹底したユーザー目線での設計が重要です。
• 購入フォームの最適化
購入プロセスでの離脱を防ぐため、フォームの入力項目を極力減らし、必須項目のみに絞り込むことが推奨されます。
4. まとめ
ECサイトの運用は、ネットの向こう側にいる「人」を意識し、人に配慮した提案やサービスを提供し続けることが成功の鍵。
地道な改善(コツコツやること)を積み上げていくことで、ユーザーに寄り添い、競合との差別化を超えて選ばれる人気サイトへと成長させていくと締めくくりました。
特典としての無料診断
セミナー終了後、松崎が専門家として提供している「ホームページ無料診断」(ドメインからテクニカルな部分やSEO評価を調べる支援)を希望者に案内した。15社の希望者に対して、2026年1月から具体的な診断結果を面談にてアドバイスする予定となっています。
5.セミナーアンケート
参加者63名のうち、アンケートにお答えいただいた方は55名でした。
その内、大変満足、満足とお答えいただいた方は54名となり、参加者のほとんどの方に満足いただけたようで、ほっとしました。
[特に役立った点] ※自由記述
• 全体的にECへの考え方が詳しく、改善力まで幅広く知ることができた
• ECサイト・ホームページのパフォーマンスを上げるにはどうすれば良いか詳しく知れた
• 自社のECサイトを見直すきっかけになり、不足のところを改善しようと思った
• サイトの作り方、見せ方、誘導先など、ユーザーの立場で作ることが大事とわかった
• これからECサイトを立ち上げるにあたり、基本的な知識を知れた
• ECサイトでもお客様目線と愛されることが大事だとわかった
• かみくだいて説明してくれたので、よく理解できた
• 検索事情の変化や、AI効果について知れた
• HPを見るのは「人」であるという事を改めて重要と思った
• ECサイトに適したコンテンツについて、やるべきことがわかった
• Webの制作をしている業者として、担当しているECサイトのテコ入れの参考にしたい
特に役立った点でも、セミナーの各所の情報でお役立ていただけるとのコメントが多かったので、うまくお伝えできたのかなと感じました。
6.最後に
ECサイトを作る時、とりあえずの文章を業者に送って丸投げし、ひとまず完成させる。
そして、そのあと「どうすれば良いかわからなくて放置」となっている事業者さんが多いと感じています。
なので、今回のセミナーでは、何をどうすれば、向こう側にいるお客さんに伝わるのかを、考え方から具体的な作業方法までをお伝えしました。
ECサイトは作って終わりではなく、出来上がってからがスタート。そして、お客さん目線で役立つコンテンツを提供し続けることが大事であることを参加者の皆さんにはわかっていただけたようで、嬉しかったです。
「AI対策についてもっと知りたい。」、「ECサイトのターゲットを深堀したい。」、「表示速度の具体的な改善方法を知りたい。」などの声ももらったので、今後のセミナーに活かしていければと思っています。